整体

スポーツトレーナーと柔道整復師

    スポーツトレーナーの仕事

    テレビで野球やサッカーなどの試合の観戦中、接触プレーなどで選手が倒れた際にベンチから大きな荷物を抱えた人が選手に駆け寄る姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
    この人がスポーツトレーナーになります。
    選手のところまで駆け寄ったらすぐにプレーが続行できるか否かを判断します。
    また、その場で応急措置を行ったり、担架を要請したり、選手の怪我の状態によって臨機応変に対応します。
    選手への対応が終わったらベンチで監督やコーチに選手の状態を的確に伝えるのも仕事の一つです。
    このようなスポーツチームは必ず何人かのスポーツトレーナーと契約を行っています。
    チームによって呼び名も異なりますが、仕事内容はほぼ同じと言えるでしょう。
    近年では、柔道整復師の資格を持っている人が、スポーツトレーナーとして活躍する現場も多く見られます。

    上記のように、スポーツトレーナーは選手が負傷をした際に応急措置や治療を行うことが仕事だと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
    もちろんこれらも大切な仕事の一つではありますが、最大の仕事は選手たちが最高のパフォーマンスが発揮できるように、そのコンディションを整えることです。

    例えば、運動能力やパフォーマンスの力を高めるためのトレーニング指導が挙げられます。
    体幹を中心とした筋肉トレーニングや、バランス感覚を養うトレーニングなどが重要視されます。
    更に体の柔軟性を養うことも近年では重要視されています。
    チームにフィジカルコーチが在籍している場合には、その補佐を務めることもあります。

    また、怪我や故障の予防と応急処置、そして復帰を目指す選手へのリハビリ指導も行われます。
    競技中や練習中に発生した負傷だけではなく、スポーツを長く続けていると腰痛や膝の痛み、肘の痛みなど様々な故障も出てきやすくなります。
    これらの予防や発生してしまった場合には応急処置を行い、マッサージ、テーピングなどを用いて対応していくことになります。
    負傷関連で病院にて診察を受けた場合には、担当医とコミュニケーションをしっかりと取り、選手の状態や先の見通しを監督やコーチに報告するのも重要な仕事になります。

    そして、試合に向けて選手のコンディションを調整するのも仕事の一つと言えるでしょう。
    選手の状態を見て監督やコーチと練習内容やスケジュールを組み、疲労回復を目的としたマッサージなどを行って選手のコンディションを整えます。
    また、試合に向けたコンディションについて選手に的確なアドバイスをしたり、試合当日にはウォーミングアップやクールダウンを一緒に行ったりすることも仕事の一つです。

    スポーツ選手のケガに強い「柔道整復師」

    柔道整復師が行う技術のことを、柔道整復術と呼びます。
    この技術は柔道の競技を行っている人の治療を目的に発展した技術です。
    しかし、近年ではこの治療にスポーツ競技者としての経験が生かされている点や、スポーツによる負傷を素早く回復させることに特化しているという特徴にも注目されるようになりました。

    柔道整復師は、骨折や捻挫、脱臼や打撲など、スポーツを行う上で考えられる様々な怪我に対応できる技術や知識を持っています。
    もし試合や練習の現場で怪我が発生した場合には素早い状況判断と応急処置が重要であり、適切な処置を行えるか否かで今後の治療や回復期間に大きな影響を与えるため、非常に大切な仕事です。
    これらの対応に当たれる職業の一つが柔道整復師です。

    そして、ただ怪我の治療を行うだけではなく、選手一人一人に合わせた怪我の治療が必要となります。
    治療方法にも様々で、例えば骨折した箇所や肩などの関節がはずれた場合に元に戻すために操作する技術が、整復法です。
    また、骨折や脱臼などをした場合に三角巾や包帯などを使い患部を固定する固定法もあります。
    このように多様な治療方法がある中で、どれがその選手にとって最も適しているかを考え治療にあたらなければなりません。
    治療後も選手の身体と心のケアを行い、現場復帰から怪我の予防まで、トータル的にサポートを行います。

    柔道整復師が活躍する場所としては、プロチームや関連企業、整骨院や接骨院、病院の整形外科など多岐にわたります。
    柔道整復師になるためには、国家試験の受験資格を得るために指定された学校や養成施設において3年間以上知識や技術を学び、教育課程を修了しなければなりません。
    その後、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。
    将来的にスポーツ業界で働きたいと考えているのであれば、スポーツ界と繋がりの深い学校を選んで、実践的な知識や技術を身につけることも大切です。

    どんなにすばらしいチームや選手であっても、実際に試合に出るまでには身体面においても様々なことが起こり得ます。
    このような事態を一つずつ乗り越えることは、サポートする側にとっても大きな喜びとなるでしょう。

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