整体師の仕事内容
先天的に腰痛や肩こりのお悩みを抱えやすい体質であったり、仕事や家事などで腰痛や肩こりが慢性化してしまったりしている場合に、引き金になっている筋組織や骨盤の歪みを調整し、諸症状の解消を図っていくのが整体師の役割です。
日々行う業務の大半は整体ではありますが、全体を通しての業務内容の流れを大まかに区切ると、カルテに情報を記入しカウンセリングと検査を行った後、実際に患者様の身体に整体を施しその後アフターケアをしていくという様子です。
まず、患者様が今現在抱えている症状の他、過去にも目を向けて頂き、これまでに患ってきた病歴を問診票に対し記入して頂きます。
その記入内容により施術の内容や部位が大幅に左右されるため、可能な限り事細かく思い出して頂く事がポイントになります。
一見一筋縄ではいかない印象が強い症例でも、過去の病歴がきっかけとなり早期解決に結びつく事例も稀有ではありません。
次に問診票を基に問診を行っていき、問診票に記述されている症状が実際に当事者の感じている不調と痛みに通じているのかを共に確認していきます。
整体というのは筋肉の損傷や骨盤や関節の歪みにより身体に悪影響が及んでいるという考え方に則っているため、関節や骨盤に見られる歪みについては特に重点的に検査を進めます。
整体師にとっては些細で症例が多い事例であっても、患者様にとっては身体を構成している要の骨に直接的に作用させるという特性上不安感を抱きやすいものです。
施術者は患者様が不安な気持ちに苛まれないよう、可能な限りわかりやすい言葉を使って仕組みや原因をお伝えする必要があります。
同意と理解が得られた上で、いよいよ施術を開始していきます。
施術を行う時には考え方の基本理念になっている東洋医学などを重んじて行っていく形になります。
整体の場合は中でも中国から伝来した方式を基礎にしている場合が多くあります。
一言で身体を整えるとは言っても上半身や下半身のどちらか一方にケアが偏ってしまうと再び異なる変調に悩まされる原因になりかねません。
そのため、上半身と下半身の中心部にある骨盤から着手し、派生している背骨や首というように段階的に発生している歪みを取り除いていきます。
その際、めまいや吐き気などが起こらないようゆっくりと施術を進めていきます。
整体師の一日
整体師は身体に纏わる仕事に従事するという特徴から、活躍するフィールドは幅広くなります。
向き合う方も患者様ばかりではなく、著しく高い身体能力を有しているアスリートや、年齢の高まりにより身体機能が低下してしまったご高齢の方など様々です。
活躍するフィールドが広いからこそ、一言で整体師とは言っても個々の現場や担当している方々により全く別の職業と言っても過言ではないほど1日の過ごし方には違いがあります。
しかし、絶対数の割合として考えた際には整体師という肩書で働いている方々の大部分は整体院に籍を置いているため、整体院勤務の整体師の働き方が一般的であると言えます。
開院する時間は各整骨院や地域柄により違いがありますが、比較的開院時間として多いのは10時なので1時間前の9時に整骨院に到着するようにしている方が多く、出勤後は30分程度で院内の掃除や、整体の際に使用する物の整理整頓などを行います。
開院する20~30分前には在籍しているスタッフが全員一箇所に集合し、当日に予約が入れられている患者様や行う予定の施術内容について全員で話し合い、共通認識を持つようにします。
その日にいらっしゃる患者様の数が多かったり、比較的複雑な症状を抱いている方が来院される予定があったりする場合は痛みや負担を小さくすべく行う方法を模索するため、ミーティングが長引く事も少なくありません。
基本的には予約制の院が多くなります。
開院時間の10時になれば1人目の患者さんにすぐに足を運んで頂きやすく、一般的な小売店などに比べると1日の流れが全体的に把握しやすいため計画と心の準備がしやすいという利点があります。
来院された方がこれまで受診された経歴が無い方であれば問診から始めていき、これまでにも何度もご来院頂けている方であれば施術後の変化や新たな問題などについて聞き取り調査を行っていきます。
そして、午前と午後の時間を分けるべく13時あたりには休診時間となります。
一般的な職種とは異なるのは休憩時間が1時間程度ではなく、およそ3時間程度休憩時間を設ける整骨院が珍しくない事です。
3時間の休憩時間は昼食を取って身体と頭を休めるだけでは持て余してしまうため、自宅が近くにある整体師の場合だと一度自宅に戻ったり、院内に設置されているベッドに横になって仮眠を取ったりする方も多いです。
このように休憩時間がたっぷりと確保されているのは、施術ミスを防ぐ目的があります。
また、勤務が終了するのが21時頃であり、帰宅時間が遅くなることも影響しています。
特に夕方から夜にかけては常連の方や仕事帰りの方が増えます。
しっかりと休憩を取り、午後に備えるのは重要です。