足のむくみは、特に女性にとっては特に日頃から身近な不調です。足が太く見えるといった見た目の問題のみならず、疲労感や怠さ、痛みがといった症状が現れます。
これらの症状は一時的なものであると軽視されやすい傾向にあります。ですが、時には静脈還流障害という病気の初期症状である可能性がある事も理解しておかなければなりません。
この記事ではむくみの原因から対処法まで整体師がご紹介します。
むくみのメカニズム
重力の法則により、下半身の静脈を流れる血液は心臓とは逆方向の足の末端に向かって流れていきます。この流れを静脈還流と言います。
そうした血液の流れをサポートすべく、静脈には逆流させてしまわないようにする弁があります。また、足にある筋肉によって筋ポンプ作用が生じ、血流促進が行われます。
ところが、長時間の立位やデスクワークなどで着席したままの姿勢が長引くと、筋ポンプ作用が低下します。その結果、心臓に対して流れていく血液の量が減り、流れが停滞してしまいます。
下半身の静脈還流が滞ると静脈内の圧がより一層高くなり、血管にて障害が発症します。内部から外部に対し血液の水分が染み出し始め、細胞の外側に水分が溜まり続けます。普段であれば細胞の外側は水分が存在しない箇所です。そこに水分が溜まってしまう事が、足のむくみを生じさせる原因です。
むくみを放置すると重大な病気になることも
上記のような状態が慢性化してしまうと、次第に静脈にある弁の役割を果たしている機能も働きが低下し始めます。そうなってしまえば、病態がより一層進行し深刻化する恐れもあります。
足がむくんでいる時に足に目を向けると紫色に変色していても、動いたり姿勢を変えると本来の肌の色に戻ります。ですが、長期間放置し続けてしまうと色の変化が戻らず色素が沈着してしまったり、静脈瘤に見舞われるリスクも高まります。また、皮膚潰瘍という重大な病気に陥る危険性も捨てきれません。
身体の歪みや筋肉量の少なさもむくみの原因になる
足のむくみは、同一姿勢を続けていなくても慢性的に悩まされる方も多くいらっしゃいます。もし、定期的に身体を動かしているのに足がむくむ、片足だけむくみが生じるといった場合には身体の歪みが原因かもしれません。
冬に起こる印象が強い足のむくみですが、夏であってもお悩みの方は少なくありません。暑くなってくると冷房を使う頻度が上がります。冷たい空気は下に向かう傾向がある為、足元が冷えて血行不良を起こしむくみとなるのです。特に、オフィスで長時間座ったまま仕事をしているような方は下半身の筋肉が動かず、むくみやすくなります。筋肉量が少ない女性の方がよりむくみやすい傾向があります。
プロが勧めるむくみの対処法は「ツボ押し」!
むくみはツボ押しで解消しましょう!
足のむくみを解消するには、手軽にできる足のツボ押しがおすすめです。中でも、三陰交は女性のツボとも呼ばれ、冷えや足のむくみだけでなく、女性特有の疾患にも効果が期待できます。例えば、頭痛、生理痛、生理不順や更年期障害、便秘などが挙げられます。
三陰交の場所は、足の内側にあります。内くるぶしの上に人差し指から小指までの4本分を揃えて置いた分上にある、脛骨と筋肉の境目の部分です。指で軽く押しただけでも痛みを感じるような箇所になります。足がむくみがちな方は、この三陰交を押すと強い痛みを感じるかもしれません。
(1)ゆっくり息を吐きつつ親指の腹で5秒程度押し、息を吸いながら離します。
(2)押す強さはあまり力を入れ過ぎず、痛気持ちいい程度で問題ありません。
強く押さなくてもツボ押しの効果はあります。
(3)5~10回ぐらい繰り返し押しましょう。
※入浴中に押す場合は、掌にボディソープなどを泡立ててつけ、身体を洗うついでに三陰交を押してください。三陰交を一点押しするのではなく、その辺りを指の腹で円を描くようにくるくると下から上へと動かすのがポイントです。泡が滑剤となり、スムーズに指を動かす事が出来ます。また、くるぶしの周辺には三陰交以外にも多くのツボが存在します。この押し方であれば他のツボも刺激できる上、身体を洗うついでに行えますので習慣化しやすいです。
三陰交の周辺の内くるぶしから膝ぐらいまでを狙い、脹脛の内側を下から膝へと上に向かって刺激していくと、足のむくみが更に和らいでいきます。
(1)親指の腹で三陰交をゆっくり息を吐きながら5秒程度押し、息を吸いながら指を離すのを3回繰り返しましょう。
(2)これを日々繰り返す事により、足のむくみは勿論、冷えや便秘、生理痛や更年期障害の症状軽減も期待できます。
バスタオルストレッチでむくみを対処!
バスタオルを使用した、むくみを改善するストレッチ方法をいくつかご紹介致します。
【バスタオルを使ってストレッチ!1】
(1)厚めのバスタオルを用意します。
(2)2つに折って折り目の方から固めに巻いていきます(棒状になります)
(3)床に膝を立てて巻き終わったタオルをひざ裏に置きます。
(4)そのままお尻を落とし正座の姿勢になります。
(5)この状態で30秒から1分間キープします。
【バスタオルを使ってストレッチ!2】
(1)タオルをアキレス腱の上に置き替えます。
(2)同じくお尻を落とし正座の姿勢でタオルを挟みます。
(3)そのまま30秒から1分間キープします。
※注意点
・物足りないと感じたら薄手のタオルを重ねて巻いて調整してください。
・逆にきついと感じられる方は、巻ききらずに丁度良い厚みと感じるくらいに調整して取り組んでみてください。
・30秒でも辛い方は10秒単位で3回に分けて取り組んでみてください。
この方法を寝る前のストレッチとして取り入れ毎日行ってみてください。
早い人で、1週間から10日で効果を感じられると思います。
血流を1度止めてから解放することによって末端への血行を促し、むくみ改善へと繋げることが出来ます。もちろん、寝る前でなくても出来る時に取り組んでくださっても大丈夫です。
またこの方法は、冷えを感じられる方にも効果的です。
寝る時に足先が冷える方は寝る前に是非取り組んでみてください。
足がポカポカと温かい状態で眠りに入ることが出来ます。
当院では夏の冷えによる足のむくみを軽減する施術を行っております。脹脛にミネラルオイルを使用した穏やかなマッサージを行い、滞った血流を促していきます。お待ちしております。