今回は、自動車事故による健康保険の使用の有無についてお話をしていきます。
現在我が国では、様々な公的健康保険組合が存在し、業種・業界・立場などで何らかの保険組合に帰属をしています。
これらの保険は、皆様が万が一病気や怪我をした際に保険割合に応じて決められた負担分だけを支払う事で負担の軽減を計り全ての人が平等に同じ治療を受ける事ができる為のものです。
※他の国々の中には簡易保険が無く任意保険しか無かったり、全ての国民が簡易保険に入り医療費が¥0の国など様々あります。
交通事故では状況次第で健康保険がもらえる
本題である交通事故の場合ですが、結論だけ言うと状況次第です。
①自分が交通事故の被害者で、相手の過失で負傷した場合
自分が被害者の際の交通事故治療の場合、自賠責保険という健康保険とは別の保険であり、加害者側の保険会社が治療費を支払う為、被害者の方は健康保険を使用する必要がありません。
②自分が交通事故の加害者で負傷した場合
自分が加入している保険会社との相談次第になり、健康保険を使用して自己負担で治療をするケースもあります。
③自分で交通事故を起こしたが、他人は巻き込んでいない場合
この場合は、物損分は加入している保険会社が支払ってくれますが、治療費に関しては自分で健康保険を利用して自己負担するケースが多いです。
④自転車やバイク事故の被害者の場合
上記のような場合は、一度健康保険で自己負担で支払った後に、加害者に治療が終わるまでにかかった治療費を請求し、全額支払ってもらうケースが多いです。
第三者行為では健康保険が使用できない
大まかな例を挙げましたが、つまり第三者行為による交通事故の場合は健康保険は使用しません。
そもそも第三者行為とは何か?
本来健康保険は、組合員が病気や怪我をした際に治療費の負担を加入している組合が一部負担をして援助するというものです。
なので、交通事故や傷害などは過失者の責任であり過失者が加入している保険ないし、賠償金で治療していくのが、原則となっています。
但し、加害者側に支払い能力や話し合いなどが生じるなど直ぐに対応が出来ないケースが少なからず存在します。
そうした際に、自己負担で治療を受けるなどすると多額の請求になり患者さま(被害者様)の負担が大きくなってしまいます。
こうしたケースなどで、健康保険を使う事で保険割合で治療を受ける事ができますが、実はこれには幾つかの手続きが必要になります。
手続きとは、何か?必要な事は?
先ず必ず行う事は、事故の証明をすることです。
警察で、人身事故証明を貰いましょう、そして医療機関で画像診断や診察を受け診断書を貰いましょう。
それらの書類と健康保険組合から貰う第三者行為による傷病届けの書類が揃って、保険診療を受けることができます。
勿論、事故の場合早急な対応が必要な場合もあるので、保険書に書かれている保険組合の電話番号に電話をし、口頭での説明でとりあえず受ける事が可能であり後日組合から送られてくる書類を作成すれば病気や怪我と同じ様に継続的な保険治療を受ける事ができます。
(※但し保険組合によっては幾つかの制約がある組合もあります。御自身が加入している公的機関の詳しい内容は各組合にお尋ね下さい。)
まとめ
本来健康保険組合による健康保険の使用には様々な制約や理由が必要になります。
また、知らずに安易に使用する事で保険証の使用に問題が出ると、不正請求を初めとした詐欺行為に相当し尚且つ行政指導・行政処分の対象になる行為となることがあります。
もちろん治療前に担当者が保険の使用については説明してくれるので、事前に理解しておくとより安心して治療に臨めます。
治療をきちんと受け怪我を早期に良くし1日でも早い社会復帰を目指しましょう。