整体師という仕事
整体師は骨盤のゆがみや筋肉を調整することにより、腰痛や肩こりなどその人が気になっている症状の改善を手助けする仕事のことを指します。
仕事内容としては整体が基本となりますが、多くの病院と同じように患者への問診や検査から始まり、施術の後に日常生活を送る上でのアドバイスまで行っています。
整体師の仕事内容を大きく分けると、カウンセリングや検査を行った上でカルテを作成すること、整体施術、アフターフォローの三つに分かれます。
最初に、患者様の現在の症状やこれまでにかかった病気やけがなどを問診票に記入してもらうことから始まります。
これは今後の施術の内容についてかかわってくる大切な資料となるため、できるだけ細かく書いていただく必要があります。
その後、患者様と問診を行い、患者様が感じている体の痛みや不調の症状を確認していきます。
確認後に今後どのように施術を行っていくのかを説明し、患者様の理解や納得が得られた後に施術していきます。
そもそも整体とは、身体の不調の多くが身体のゆがみからくるという考えに基づいています。
そのため、独自の技術により患者様の身体のゆがみを矯正していくことから始まります。
また、場合によっては不調が現れている部分の筋肉をもみほぐすこともあります。
ゆがみによって引き起こされた筋肉や骨の圧迫を軽減することで、人間が本来持っている自然治癒力を高め、身体の不調を改善へと導いていくことを目的にしています。
整体の施術の基本は整体師の手技で行われますが、筋肉にこりや痛みが生じている場合には、その症状に合わせて電気治療器を使って血流を促した上で、手技に移る方法もあります。
そして、最も大切なのがアフターフォローです。
施術が終わったら、日常生活でこれから気をつけていただきたい点や、患者様ご自身が自宅で行うストレッチやマッサージの方法などを個人個人の症状に合わせて適切にアドバイスをしていきます。
生活習慣病からこのような症状に悩まされる人も多いですが、近年ではストレスからくる疾患も持ち合わせている方も少なくありません。
そのため、このような症状にも的確にアドバイスが行えるよう、整体師は健康に関する幅広い知識も必要になります。
基本的な仕事の流れは一般的には上記のようになっていますが、整体院は個人経営で運営しているところが多くなります。
整体師が独自に考え出した手技もあるので、整体院により仕事の内容は異なることもあります。
活躍の場はこんなに!
整体師と聞くと整体院で仕事をするイメージを持っている人が多く見られますが、その活躍の場は多岐にわたります。
一つは、多くの人がイメージする整体院やカイロプラクティック院です。
これらは勤務する場所としても一番多くみられる場所になります。
腰痛や肩こりなどの症状の軽減を目的に訪れる患者様のために施術を行う場所です。
整体の方法は整体院によって異なりますが、実際に体験して自分に合った施術方法を探すのが一番といえます。
また、スポーツトレーナーとして活躍することも可能です。
中にはプロのスポーツ選手に練習や試合が終わった後に、マッサージや整体を行っている整体師も見られます。
この場合にはフリーランスとして活動している方が多く、中にはチームや個人と契約して専属で施術を行う場合もあります。
スポーツ選手が相手であるため、選手の体調や筋肉の特徴などをしっかりと把握し、筋肉の使い方や、日常生活での注意点などを専門的にアドバイスしていきます。
男性に非常に人気の職種ですが、高い専門知識に加え、スポーツに対する知識や理解がなければ務まらない難しい仕事です。
そして、近年では女性整体師も増えてきています。
女性整体師に人気の職種が、ヨガなどのビューティー系です。
中にはヨガだけではなく、ヨガと整体を合わせたオリジナルの技術を考え、主に女性向けにスタイルをよくするなどの美容系の整体を行なっている場合あります。
通常の整体院とは異なり、女性向けにインテリアや内装、デザインなどにこだわっている院も近年増加傾向にあります。
最後に介護や福祉業界です。
近年では福祉や介護業界でも整体師の需要は非常に伸びてきています。
現代は高齢化が進み、老人ホームやデイサービスなどでは、介護整体やリハビリを取り入れているところも増えています。
整体師はこのような場所で介護整体やリハビリを中心に施術を行います。
介護や福祉施設では、正社員だけではなく、アルバイトやパートなどの多くの就業形態が用意されているのが特徴とも言えます。
整体師は年々需要が高くなり、しっかりとした技術を持ち合わせていれば、活躍の場は多岐に広がり、就職場所にもあまり困ることはないでしょう。
しかしながら、体力的にはなかなかきつい仕事であり、安易な気持ちで続けられる仕事内容でもありません。
整体師としてこれからも働き続けたいという信念を持った人に勤まる職業と言えるでしょう。