整体師になるには
整体師としての資格は民間の資格しかなく、絶対に必要となる国家資格は存在していません。
そのため、誰でも整体師を名乗って独立開業することが可能です。
しかし、当然のことながら整体師としての知識や技術がない状態で独立開業したとしても、患者さんが来ることはありません。
反対に症状を悪化させてしまうことも考えられるため、整体に関する技術や知識はしっかりと学ぶ必要があります。
整体に関する技術や知識はしっかりと学ぶには、整体師の養成学校に行く方法があります。
この学校では運動学や解剖生理学などの人間の体についての基礎知識や、整体に必要となる基礎的な技術について学ぶことができます。
また、実際に整体院と提携している学校であれば、就職の斡旋をしてくれる場合があります。
しかしながら、これらの学校は普通の専門学校や短大と同じように、卒業するまでには多くの時間を要します。
学費もそれなりにかかります。
現在何かの仕事についていたり、学費を用意するのが難しい場合には、そのほかの方法を見つけたり、整体院でアルバイトを行いながら整体の学校へ通うという方法も考えられます。
その他、通信教育で学ぶという方法もあります。
通信教育のメリットは、自分の好きなタイミングで勉強することができるということです。
しかし、しっかりと勉強を進めていくためには自己管理が必要で、自己管理ができなければ途中で挫折してしまう可能性もあります。
また、基礎を理解するためにテキストだけではなくDVDなどの映像を見ながら学ぶこともできるので、自分にとって分かりやすい教材を選ぶことも重要となるでしょう。
通信教育や座学で基礎知識を身につけることはできても、技術面でのスキルも勿論整体師には重要になります。
いくら映像やテキストを見て学んだとしても、実際に役立つ技術を身につけることはそう簡単ではありません。
技術を身につけるためには実践が必要であり、これが実力のある整体師になる一番の近道と言えるでしょう。
実践できる場所としては、整体や整体学校が講習会やセミナーを定期的に開催しているので、このようなものに積極的に参加して技術を学ぶ方法があります。
現場で実際に働いているプロの技術を自分の目で見て覚えていくことも一つの手段となります。
どの方法で学ぶにしても、直接人の体に触れる仕事であるため、非常に責任の重い仕事です。
自分に合う最適な方法で、確実に知識と技術を身につけ、信頼される整体師になることが求められます。
修行の場はいろいろ!
知識や技術を学んだからといって、すぐに実力のある整体師になれるわけではありません。
信頼されるためには、数々の施術をこなしていく必要があります。
整体には統一された概念はないといえます。
人によって理解や解釈が異なり、それに伴って技術や効能も異なるといえます。
そのため、自分がどのような整体術を行っていきたいのか方向性を定めなければなりません。
知識もなく自分の進む道を決めることはなかなか難しいものですが、目指していく過程で少しずつ自分のスタイルが定まっていくのが理想的と言えます。
どの整体術にも共通して必要となる身体についての基礎知識やストレッチ、骨格の調整やボディケアなどを習得することで、どの道に進む場合においても必要となる土台を固めることができます。
一言で整体師といってもスタイルは異なります。
理想とするものを明確にした上で、必要となる知識や技術を習得し、施術を行えるレベルまでに達して初めて一人前になることができます。
自分の腕を磨いていく場として考えられるのは、整体院やカイロプラクティック、ヨガスタジオやスポーツジム、介護施設などがあげられます。
整体院では肩こりや腰痛などに悩んでいる方に施術を行いますが、整体院により施術の方法も異なります。
体験してみることで、自分がやりたいことと合致しているスタイルを見つけやすくなります。
意外に感じる人も多いかもしれませんが、ヨガサロンやスポーツジムなどで腕を磨くことも可能です。
ヨガスタジオでは、整体は治療というよりもリラクゼーション目的になっていることがほとんどです。
美容系の整体を行っているヨガスタジオもあり、そちらを目的としている女性をターゲットにしているところも多いでしょう。
スポーツジムでは、筋肉に関する知識や生活の中で意識することでできる改善方法などをアドバイスすることになります。
スポーツジムに通う一般の方を対象に行うことが多いですが、中には技術を高めたことでスポーツ選手と契約している整体師も見られます。
また、介護施設ではご高齢の方がリラックスできるような施術を行います。
理学療法士などの国家資格がある人とは仕事内容も異なりますが、介護施設での需要は非常に高まっていると言えるでしょう。
このような様々な場所で研鑽を積み重ねれば、最終的には独立開業を行い信頼される整体師として活躍できるような未来も描きやすくなるでしょう。